ON DOU-音道-

Arcive


2017.02「Debaser」


2017.01「吐き気がする程ロマンチックだぜ」


2016.12「Country,Blues

Grass,and Blues」


2016.11「売れれば良いとい訳でも…」






売れてからでは遅すぎる


石と薔薇


すっかり春めいて来ましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
Theシーチキンズのオカダです。

今回取り上げるバンドはTHE STONE ROSESです。

1989年デビューのイギリスのバンドです。
メンバー

イアンブラウン(Vo.)
ジョンスクワイア(Gt.)
マニ(Ba.)
レニ(Dr.)

写真だと向かって左からレニ、マニ、イアン、ジョンですね。

曲はイアンとジョンが書いてる。
ドラムのレニはデビュー前からたまたまライブで共演したピートタウンゼントからキースムーンの後釜としてTHE WHOに誘われるくらいの腕前。

このバンドはね、本当好きなバンドで、マッドチェスターと呼ばれたブームを牽引したバンドって事で評価は落ち着いてるのかな。ビートルズ、ピストルズ、ローゼズって感じで並び評されるUKバンドです。
オアシスの青写真になったバンドでもあって、同じライブをリアムとノエルが別々に観ててバンドをやるって決意させたって逸話があります。

実際、売上で見たらその後のブリットポップ勢と違って微々たる感じだしファンの数も当時は比べ物にならないんだけど。マッドチェスター、レイヴオン!って事でecstasyを飲んで踊り狂うっていうセカンドサマーオブラブってブームを作り出した。
 だけど、他のハッピーマンデーズとかに比べてローゼズは態度も発言もライブも曲も王道だった。

デビューシングルはニューオーダーのベース、ピーターフックがプロデュース。1stは全然売れなくて当時某雑誌でバーズの焼き直しじゃねぇかって酷評された。プロデュースは他にもラーズとかを手がけたジョンレッキー。当時からアンコールはやらない、誰かの前座もやらないってスタンスを貫いてた。ボウイやU2、ストーンズ、ピクシーズ、全部断ってる。そのくせ、俺たちが世界最高のバンドだって言い放ってた。今までの価値観を転換したんだ。
 主役はステージのバンドじゃない、フロアのみんなだって言ってね。着飾るのが当たり前だったロックスター像を打ち砕いた。パンク以来のロックの価値観を覆すような出来事だったんだと思います。


初めて聴いたのはなんでだったっけ。1stの20周年盤が出た時だと思うけど、何だか気になってさ。買って聴いてみたの。当時はスミスもオアシスも聴いてなくて、ライナーノーツで知った。
 1曲目がI wanna be adoredって曲で。始まるまで1分くらいあるんだけど、ベースのリフがだんだん聴こえてきてそこからキラキラしたギターとドラム。


その瞬間、震えた。



歌詞も最高で、神を信じる必要は無い、神は自分の中にいる、憧れられたい、崇拝されたいって内容で。今まで読んだ事も無いような歌詞だった。
最高じゃん!て。
そっからのポップなナンバーは最初はあんまりピンと来なかったんだけど、歌詞がとりあえず只事じゃないなって印象が残った。何度も聴くうちに、これはめちゃくちゃ凄いアルバムだって思うようになった。で、どうやらギターロックにダンスミュージックを融合させたバンドって事らしいぞってなってそこから色々派生してメンバーがインタビューで言ってたミュージシャンを聴いた。それこそ、ジミヘンやジェームスブラウン、スライとか。ローゼズのおかげで聴くようになった。で、2ndも聴いてみようって聴いたら、全然違うのね!
 ギターが異常なくらい上手くて、ハードロックなんだけどイアンのささやき声と尋常じゃないドラムにやられた。


最近、聴き返すとそれぞれ名盤だなって思うけど当時は叩かれまくったみたい。Led Zeppelinのパクリとかギターがラリってて自己満とか。録音にかけた時間が長すぎて、プロデューサーも何度も変わってメンバーの絆も金とクスリでボロボロになっていったらしい。5年間アルバムを出さずにいたのも凄い。すげーキャリアの長いベテランならまだしも1枚しかアルバム出してないバンドがだよ。あり得ない。しかもタイトルがセカンドカミング。キリストの再臨って意味ね。とことん徹底してる。

ニルヴァーナとローゼズは同時期にアメリカとイギリスから世界を変えたバンドって認識なんだけど、ニルヴァーナに比べるとローゼズの過小評価が半端ないなと。結局フォロワーらしいフォロワーもいないし。THE MUSICとか?で、イアンとジョンは幼稚園からの仲だったんだけど、1995年にジョンが脱退。1996年にローゼズも解散してる。


伝説は最悪の幕切れで終わった。


イアンのスタイルはそのままオアシスのリアムギャラガーが髪型から姿勢から全部パクってる。その後はイアンはソロでぼちぼち成功、レニは行方不明。マニはプライマルスクリームに加入。ジョンはシーホーセズってバンドでちょっと売れてから、ソロで2枚だけだした後は画家としてキャリアを築いた。

俺も完璧後追いだし、何かの特集の度に伝説のバンドとして取り上げられてるのを見るくらいで。ソロでのインタビューでもローゼズの再結成とかあり得ない感じだった。

イアンは先ずジョンから連絡してこない限りあり得ないってずっと言ってたし、ジョンは再結成の噂が出る度否定し、自分の作品で偉大なるマンチェスターの伝説の墓を荒らすつもりは無いって宣言した。マニは毎回あいつらは俺が取り持つ!とか言ってたけど、プライマルの活動が順調そうだし。レニは音沙汰全く無いし。


そんな彼らだったけど2011年にジョンとイアンがマニの母親の葬式で再会し和解。
そして、記者会見が開かれた。



マニは夢を追求する為ってプライマルスクリームを脱退。イアンは車輪が外れるまでやり続ける、と。

泣くわこんなん。奇跡だと思った。

16年近く一切会ってなかった2人が再び友人に戻って、さらに新曲を作り始めて。
そして、再びストーンローゼズが活動再開。
ドラマチック過ぎる。
アルバム、今年こそは出して欲しい。

去年、武道館に来る予定がキャンセルされて落胆したけど遂に今年の4月に来ます。
俺が十代からずっと観たかったバンドを遂に体験できる。



オカダケイ

Theシーチキンズ Guitar.Vocal

千葉県が産んだ孤高のパワーポップバンド、Theシーチキンズで活動中。

オカダケイ名義で弾き語りもやってます。

読み応えのあるコラムを毎月お届け出来るよう頑張ります!

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