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体を運ぶタクシー
※音楽と共にお楽しみください
http://girlsvocallive.com/radio/bokunoichibu.mp3
多賀ユウヤ(Serend!p!ty)


これは僕が女の子と、とある山中に車でドライブしていた時の話。


親父の車を借り、たまにドライブして、日ごろの愚痴を言い合うのが僕たちの楽しみだった。

この日もいつも通り、行くあてもなくあちこちドライブ、ああだこうだ話をしていた。

徐々に夜も深くなり、気付けば僕たちはM山に入っていた。

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真夜中の山中を走行していると、久しぶりの交差点、三差路に差し掛かった。

と前方左方向、交差点の先に一台のタクシーもちょうど差し掛かり、信号で停止した。

真夜中とゆうこともあり点滅信号、なおかつ行くあてもないので、とりあえず僕たちも停止し、お先にどうぞとパッシング。

・・・

タクシーは動かない。

もう一度パッシング。

・・・

まだ動かない。

更にもう一度パッシング。

ついにタクシーが発進した。

山の中でタクシーはあまり見ないし、しかも深夜、なぜか先に行かせようとする、何か違和感。

「ついて行ってみない?」

との僕の提案にうなづく彼女、5秒ほど遅れて謎のタクシーの追跡開始。

行くあてもないドライブが一転、さながらCIAの気分。

「タクシーなのに山を走ってて、しかもこんな夜中におかしくない?」

そんな話に花が咲く二人、10分ほど追跡したころ。

タクシーは50km、60km、70kmと速度を上げた。

険しくなる山道を高速で走り始めるタクシー、今更だが、色は黒だ。

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「え?ちょっとちょっと。」

更に速度は増し、80kmを越え90km近くに・・・

「タクシーがこんな危ない運転したらダメだろ!?」

さすがにこれ以上は危ないと判断し、徐々に速度を落とし追跡は中止。

そのままその日のドライブを終えた。

そして数日後、彼女から1通のメールが届いた。

【M山の山中で死体が遺棄されたみたい、ニュースになってるよ・・・】

と。

もしあのタクシーが人目を気にしていたのなら、あの不可解な行動も合点がいく。

あのまま追跡し、何かを積んだタクシー運転手がその先で何かを遺棄してたとしたら僕たちはどうなっていたのだろうか?

真実はわからないが、あのタクシーはきっとクロだったと思う。

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