包丁女
※音楽と共にお楽しみください
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あれはほんまに死ぬと思った。

５階建てのマンションに住んでるんやけど、バイト終わって、22時ごろかな、帰ってんな。
俺の部屋は4階やからエレベーターに乗って、４階に降りたんよ。
エレベーター降りて２軒目の部屋やから歩いてたら、なんか５軒先ぐらいかな、ドアの前で女の人が立ってるねん。
まあべつに気にも留めず俺、自分の部屋の前についたからカバンからｶｷﾞごそごそ探し始めてんな。
なんか視線を感じて、さっきの人をチラッと見たら、こっち向いてんねん。
でも近所付き合いもないし、はよ入ろう思ったんやけど、ｶｷﾞがなかなかでてこーへんねんな。
ここでさっきチラッと見たときに違和感あったと気付き始めて、またチラッと見たんやけど

手に包丁持ってる

えっ！？
ってなってヤバイヤバイ、ｶｷﾞｶｷﾞってテンパってきて、またチラッと見たら、今度はこっちに向かって歩くのか走るのか、そんな瞬間やってん！
そっから頭真っ白、記憶が少し途切れたんやけど、一瞬の判断で俺、エレベーター横の階段に向かって走り出してて、ほんまこれ無我夢中ってやつで気付いたらマンション出て道路を爆走してた。

あれはまじびびったわ。
これほんまの話やから。
あのまま気づいてなかったら、刺されてたんかもな。