アコースティックギターの手入れ方法





テクニックが身につけば今使ってる物よりも良い物に手を伸ばしたくなる!

というのはギタリストに限らずあり得る話ではありますが、今回はせっかく気に入ったアコースティックギターを末長く使うための”大切な心得”=”自分でできる手入れ”についてお話していきます。





楽器は生き物と知ってほしい!

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木で作られているため、アコギに限らす楽器は使い手によっては使いにくくなったり、名器となったりします。

知っていれば長く付き合えて、良い音色に育ちます。
全ての素材に精通しなくとも、まずは基本的な事から
知っていきましょう。



部屋で調整するかケースに入れるか

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“手入れ”というには調節に悩まされるのが湿度管理。

アコースティックギターは当然木なので湿る夏、乾く冬と気候がはっきりしている日本では(地域差はありますが)、本体の水分の密度が変わっていくため、ネックが反ったり、弦高に影響するボディの膨張・収縮が起こります。

まずは楽器のある部屋に湿度計を設置。エアコンの除湿や加湿器で適正湿度の40%を保てるよう心がけましょう。

外出中や環境によって調整が難しそうであれば、湿度調整剤とともにケースで保管をするのがオススメです。

特に乾燥はボディが割れる事もあるので要注意です。

極端な高温多湿もブレーシングの接着がはがれる事もあります。春夏秋冬だけでなく梅雨入りや季節の変わり目を意識することが大切です。


指板潤滑剤の取り扱いにも気をつけましょう。
直接指板にスプレーしたりせず、一度クロスなどに吹きかけて弦だけ拭くか、指板と弦の間に乾いた布や紙を挟んでスプレーするようにしましょう。

湿り過ぎると指板の起き上がりや、フレット交換のフレットがはまらなくなったりしますし、指板の張り替えともなる高い出費になります。


弦を張りっ放しにするのか緩めるのか

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この話題はネット上でも結論が出切っていないのでは?という位延々と議論されているテーマです。

すごく気に入って購入したアコギが早々とネックねじれを起こしてしまったため、筆者は緩める派になりました。

材質が気候や環境にある程度馴染んできたのか買いたての頃よりシビアでないですが、やはり緩めています。


ガットギターに関しては購入店曰く、しばらく弾かないなら緩める事を推奨しておりました。フォークギターに比べて張力は弱いですがロッドが入っていないので当然です。(反ってもどうにもなりません。)


フォークギターは張った状態で約70kgの張力がかかると言われています。
特に新品のうちは1日の終わりに4〜5巻ほど緩めておくと良いでしょう。


”毎日弾くから大丈夫!”、”張っている状態を前提に作られている”と緩めない派の意見もありますが、ギターというのは海を渡って来るものも多いのでずっと張りっ放しにするよりは適度に負荷を解いて様子もみましょう。

運搬中の衝撃や地震の際のギターの転倒時も張りっ放しにしている場合はネック折れが起きる危険度も増します。





意外に浸透していないケアポイント

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長く付き合っていけばメンテナンスの中、部品交換も起こるアコースティックギター。

ちょっとした一手間を加えるだけで消耗を減らせるのをご存知でしたか?

さらにただの放置が楽器を育てている事もあるんです。


弦に削られていくものは多い

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指弾き、ピック弾き、ドリル、歯、様々な弾き方が考案され、弾き方によって劣化具合は差が出ますが、避けても避けようのない弦交換。

その弦交換の際に少し気をつけるだけで消耗品の寿命から個体の音質まで変わります。


まずは弦のボールエンド。ブリッジの穴に突っ込んでエンドピンを刺し、ただただ引っ張っていませんか?実はエンドピンはエンドポールを引っかけるためのものではないんです。

正しくはエンドボールを少し曲げ、ブリッジの内側に引っ掛けて、それをエンドピンで止めるのが正しいのです。

ボールをエンドピンに直接引っかければその分エンドピンは張り替えの度に削られていきます。
ちょっとした接触などでエンドピンが飛んでいったという経験があるとしたら実はエンドピンの摩耗によるものだったりします。

先の張り方で、弦でそこまで音は変わらないと思われてる方もぜひ試してください。

エンドボールの接地面が大きくなることで弦の個性もより感じられるはずです。



筆者の周りにいるギタリストでやっている方は割といますが、これからアコースティックギターを始める方などに知っておいて欲しいのが、弦交換の際にナットの溝を鉛筆で塗るという事です。

ナットソースという潤滑剤もありますが、これでも滑りが良くなります。
滑りの良くない状態でチューニングをしているとナットがキュキュッと鳴ったりしますが、削れています。

僅かでもナットが削れるという事はチューニングの安定感にも影響します。
潤滑剤の存在は後から知りましたが、鉛筆の芯でも全く問題はない為、ほぼそれだけで筆者は10年ナット交換していません。

小汚いという人もいますが、そこは努力です


アンチだけではないエイジング

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アコギの鳴りを良くする選択肢は”弾きまくる”だけではないのです。

数年前に筆者の周りで話題になってはいましたが、最近はあまり聞かなくなった楽器用のエイジングマシンがあります。

演奏の際の振動によって楽器が音を熟成されていくという点から楽器を強制振動をさせる装置なのですが、装置はさておき、部屋にテレビやスピーカーがあるなら振動が遮断されるケースに入れっ放しにしておくのよりはなにかしら振動が伝わる環境の方が好ましいです。

先の管理方法で湿度調整剤と一緒にケースという話をしましたが、触る機会が減る事もなくなりますし、楽器の熟成のためにケースにしょっちゅう入っていない方が良いです。

そうなるとやはり大切なのは湿度管理ですね。





”楽器を恋人と思え”は冗談でもキザでもない

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物である以上壊れる事も修理が必要なときもやってきます。

ですが自分で知っておくことで守る事もできます。

こうすれば絶対大丈夫というものでなく、どうしても生き物であると言われる所以の個体差や癖が存在します。

売れればいいやなお店も稀にありますが、筆者が足を運んだアコースティックの楽器屋さんはアフターケアや手入れまで良心的なスタッフさんがたくさんいらっしゃいます。

”初心者だから””あまり知らないから”と臆さず”お話を聴きながら楽器の事をどんどん知って、どんな個体か知っていきましょう。

”恋人のように扱え”と長く言われ続けるのも納得がいきます。


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